海外短編特集

10月9日 0:00 − 11日 24:00(金土日) の間にチケットご購入(72時間配信、1000円)。Q&Aの日時:10月11日(日)日本時間 午前11時〜 ゲスト:ジェイ・チェチュン・リー監督 参加登録はこちら

お得な日本国内からの映画祭パス(3プログラムで ¥1500)、日本国外からの映画祭パス(2プログラムで $12 )もあります


父と僕のこと(原題:All Good, Father / 與父親的安好)

2020年、台湾/USA、48分、ドキュメンタリー、カラー、北京語、英語と日本語のキャプション字幕付き。世界初公開。

父へのこの気持ちは、畏敬の念なのか、恐れなのか。それに打ち勝ちたくて、ジェイはこの映画を撮り始めた。自分と父の関係をじっと観察する。ずっとできなかった話も思い切ってしてみる。台北の一見普通の父と息子、でも二人が背負う今と昔の文化や価値観は、結構重くて深い。アジアで初めて同性婚が認められた台湾を舞台に、父と息子が会話をする。

ジェイ・チェチュン・リー(李捷群)監督
台北出身の映像作家。ニューヨークでの数年の留学生活を終え、現在台湾に戻ったところ。自分の個人的な体験や周囲のストーリーに題材を求めながら、より広く社会を映し出す作品づくりを目指す。自分の経験や思いを混ぜ込みながら普通に生きる人々を描くことで、自分と社会との関係や、それぞれの人がものの見方を形成する過程を理解できると思う。


川の母(原題:Mother of the River)

1995、アメリカ、28分、歴史的ドラマ、モノクロ、英語、日本語字幕付き。2016年のUPAFで日本初公開。

80年代から90年代にかけて、アメリカとイギリスで同時にブラックシネマが台頭した。80年代に満を持して始まったマイノリティによる映画制作の潮流の一つである。ニューヨークではNYU出身のミドルクラス監督のスパイクリー、そしてロサンジェルスではもっと貧しい階層出身のUCLAの映画科出身の監督たちが活躍した。スパイクリーが頑なに現代の黒人社会を描いた一方で、LAレベリオンと呼ばれる彼ら一派は、実は60年代後半から、アフリカ回帰や奴隷制・市民権運動を忘れないために作品を作っており、何十年も経った現在、その再評価が進んでいる。今回ご紹介するのはLAレベリオンの一人であるゼイナブ・デイビスが95年に制作した、非常に珍しい黒人女性監督の視点から奴隷制時代末期を時代劇として再現した短編映画。奴隷として白人の家族に仕える黒人の少女と、南部から北へと逃げてきた不思議な力を持つ川の母と呼ばれる自由黒人の女性との触れ合いを描く。16ミリで撮影・編集されたこの作品、デジタルビデオへの変換/レストレーションは費用がかかるため、現在まだされておらず、入手できるビデオコピーを監督からお借りして上映。

ゼイナブ・デイビス監督

カリフォルニア大学サンディエゴ校教授。映画、ビデオなど制作作品、受賞多数。1961年フィラデルフィア生まれ。UCLAから学士号(アフリカンアメリカンスタディーズ)、修士号(フィルム&テレビジョン制作)取得。ドキュメンタリー、短編ドラマ、実験映画などを通じてアフリカ系アメリカ人女性の視点から作品を作り、高い評価を得る。


赤いチューインガム(原題:Red Chewing Gum)

2000年、レバノン、10分、実験ビデオレター、カラー作品、アラビア語、英語と日本語字幕付き。2010年UPAFで世界初公開。

このエロチシズムあふれる短編はある意味、愛の詩だ。一人の男が15年前に街角で出会った少年を思い出す。街角には二人っきりで、道端でガムを売る少年は懸命にガムを噛んでいる。その赤い色が、詩人には忘れることができない。(ArabFilmから転載、翻訳)

「紅チューイングガム」は、かつては賑やかだったベイルートのハムラという街が変わっていく姿をとらえながら、2人の男の別れを描くビデオレターだ。消費と欲しいものを手に入れることについて思考しながら、イメージが紡がれる。欲と力、流れていく時を映像としてとらえようとした作品である。(Video Data Bankから転載、翻訳)

アクラム・ザアタリ監督

アクラムザアタリは、中東および西欧で高い評価を得る、映像制作者、アーキビスト、キュレーター、そして批評家。過去には、ロンドン、ブラジル、ニューヨーク(現代美術館)などでレトロスペクティブも開催されている。作品の題材は欲望、抵抗、記憶、監視、また特に戦争下でのイメージ制作と普及に興味を持つ。写真から映画、ビデオ、インスタレーション、またパフォーマンスまで、幅広いジャンルを手がけ、私的な記録と現代のイメージメーキングについて問いかける難解で魅力的な作品群を持つ。レバノン内戦後の、特にテロリストの闘争と戦争、また宗教的あるいは国家的な抵抗の論理がどのようにマスメディアで伝えられてきたかに興味を持つ。古い写真やイメージを収集し、現代の文脈でとらえ直して展示することで、市民一人一人が戦争を体験し生き残り記録することの意味を私たちに問いかける。作品の中には、中東の歴史を映し出す自らが収集した写真が使われ、その時々の人々の関係や、男性のセクシュアリティ表現、地域ごとの写真文化の特徴など、貴重な資料となっている。個人的に写真を集める作業に加え、アラブイメージファンデーションの創立メンバーとして、中東と北アフリカおよびアラブ系ディアスポラの写真遺産の収集・研究・展示にも携わっている。 (kurimanzutto.comから一部転載、翻訳)